拘束されし者 | ようこそ、曼荼羅の世界へ。 | |
---|
ここには生きとし生けるもの全ての記憶と、その繋がりにリンクしている。 |
つばめ | えっと、あなたは誰ですか!? |
---|
さっき『神楽ちゃんは同化した方がいい』って言ったのはあなたですか!? |
拘束されし者 | いや、私ではない。 |
---|
むしろ私は、"それ"から貴方たちを護る為にここにいるのだ。 |
自分 | "それ"って誰?? |
拘束されし者 | お前は……遠き平行世界の意志か。 |
---|
それよりも重要なことを、今から私は、お前たちに伝えねばならない。 |
お前たちは、卯月神楽が逢瀬つばめの世界に同化するのを防ごうとしている |
しかし残念ながら、同化は一旦始まってしまうと、どんどん進行してしまう。 |
すなわち―― |
とある意志が卯月神楽の同化を望み、具体的な行動に出た。 |
それにより、現在卯月神楽はつばめ世界の住人となっている。 |
記憶の改ざんと同化は、そこにいるつばめたちの尽力により鈍化しているが― |
それでも進行を完全に食い止める事はできない。 |
なぜなら、1つには外の世界との再接続がまだ行われていないこと。 |
そしてもう1つには、一度混濁してしまった記憶は―― |
放っておけばより混乱し、自然にその崩壊は大きくなっていくこと。 |
それは例えるなら、崩れ始めた砂の壁や、なだれと同じなのだ。 |
ぴょんこ | そう。 |
---|
最初は1つの記憶が改ざんされるだけ。 |
けれどもその改ざんが元でそれに関連する記憶に矛盾が生じて―― |
脳はその矛盾を拒絶するあまり、その記憶を改ざんする。 |
そうやって、徐々に記憶が書き換わっていってしまう。 |
拘束されし者 | その通り。 |
---|
つばめたちは、その記憶の改ざんに対し―― |
ありのままの今の姿と想いを伝えることで、現実味を維持している。 |
それが目に見える証拠となって、記憶の改ざんに抵抗しているに過ぎない。 |
だが、その行為を永久に続ければ、神楽の精神が持たないだろう。 |
その目的に関係無く、他者の精神への介入に他ならないのだから。 |