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この思考実験は前回のクレーン問題と比べて、不明瞭な点が多い。
- ダメージを負い続ければゲストがどうなるか明言されていない。
最悪「攻撃」し続ければ選択リスク的には最も安全に生き延びる可能性がある。
- こちらは初戦だが、相手側も初戦とは明言されていない。
相手も初戦で残機が0だと前提にすることはできない。残機1以上あるとも分からないが。
- 電話の意思疎通は今のところ一方通行。対話ができるかどうかわからない。
あくまで現状では相手からの情報のみで判断することになる。
- マッチングの結果が他の世界にも伝わるかどうか。これが伝わらないのであれば「押さなかった世界」「押した世界」などの情報が共有されない。
毎回相手が意思を伝えるかどうか以外に連戦時の判断基準が存在しない。「押さない」世界同士がいてもダメージ猶予が出来るメリットくらいしかない。
- 「攻撃」側が有利に見える。筆者の観念なので実際には違うかもしれないが、「攻撃しない」は多大なリスクに対してメリットが小さすぎる。
「攻撃しない」にどれだけのメリットを見出せるか、「攻撃する」に致命的なデメリットがあるとするか、その辺りが判明しないと「攻撃」のリスクは小さいように見える。
そもそも攻撃して残機が1以上あれば双方ダメージの猶予がその分だけ延びることになる。偶然双方が消費する前提で「攻撃しない」を選んだ時くらいしか被害は最小限にならない。
それを考えれば、「攻撃」を行う場合のリスクは少なくリターンも大きい。あくまでゲストのダメージを考慮しなければ、の話だが。
「攻撃」リスクの話をすれば、ダメージを負って苦しみ続けるという意味も在るかもしれない。しかし生き残ることを目的にしたら消滅はリスクが大きすぎる。
- どうすれば戦争が終了するか判明していない。回数不明の無期限であるなら余計に残機の存在は重要になる。
「囚人のジレンマ」と「攻撃ボタン」で大きく異なるのは本来損害を最小に抑えるなら無期限では協調の可能性もあるが、消滅残機制の場合は押さない危険性が高すぎること。
もっとこの理論に詳しい人であれば最適解を知っているものなのかもしれないが、それならそれでこの思考実験の意図は何なのか?
次回に「確率」を出すということはbot全体の割合次第でどうなるかが変動するということなのか。
前回といい、これらの問題を訓練に出した意図を考えると後のbotに必要になる要素があるのかもしれない。
それも含めて思考することが今回の選択の訓練に繋がる? 思考の過程を意識することは共通して重要だと思われる。
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