アーヤ | …で? 何この対談。 |
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みやび | そりゃああれよ、國政領火博士を讃える会ぞね! |
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アーヤも我慢せんでえいんよ? |
普段言えずに溜まっちゅうお姉さまへのほとばしる愛を爆発させても! |
アーヤ | 既に別の意味で爆発寸前なんだけど。 |
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みやび | まあ、細かいことはえいんよ。 |
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せっかくエリカさんにお呼ばれしたき、 |
しっかりとにゃボットについて語るぞね。 |
アーヤにとってにゃボットとは―― |
アーヤ | トラウマ。 |
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みやび | なるほど。 |
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それは、自分の姉が天才過ぎて、平凡なコンプレックスを―― |
アーヤ | ないない! |
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みやび | ふーむ。 |
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うちはエリカさんを尊敬しちゅうし、 |
にゃボットは天才的な発明やと思うけんどね。 |
アーヤ | 何がそんなにいいわけ? そこまで言うなら、私にセールスしてみてよ。 |
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みやび | うむ。えいよ。 |
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アーヤ相手に多脚美学とか攻撃力についての話をする程野暮やない。 |
ここではズバリ! 愛らしさについて語っちゃろう! |
アーヤ | クモネコの愛らしさなんてわかりません。 |
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みやび | まあそう簡単に門前払いするものではないぞね。 |
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良く見て欲しい。 |
この愛らしい顔。この顔は、アーヤを想って喜んじゅう顔やよ。 |
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アーヤ | なんでそう言い切れるわけ!? |
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みやび | うちは極秘資料を入手したぞね。 |
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そして、その仕様書によれば |
この表情は、アーヤへの献身によって幸せを感じている時専用とのことや。 |
アーヤ | 献身…って。 |
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ていうか、そんな特殊なシーンの為にこの顔を用意したってこと? |
それってお金の無駄じゃない? |
みやび | わかっちょらんね。 |
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そこにそれだけの予算を注ぎ込む価値があると、エリカさんは思っちゅう。 |
なぜか! それは! |
にゃボットがアーヤ専用に作られた個体やからやよ! |
エリカさんは、アーヤを護りたいんよ。 |
やき、にゃボットを作ったわけや。 |
そんな目的で作られたにゃボット。 |
それを最高効率で稼働させるには、どうすればえいか! |
もちろん、ターゲットとなる主人を護る事で―― |
カタルシスを得ることができるよう、設計することや! |
やき、このにゃボットの表情は、ガチやよ? |
アーヤ | ガチ!? |
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みやび | うむ。この子はアーヤを護る為に生まれてきた。 |
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アーヤを護る事はこの子の生きがいなんよ。 |
そんなにゃボットが、生きがいを全うした時にだけ見せる笑顔! |
その笑顔が出来るというただそれだけで、この子は幸せになれるんよ。 |
アーヤ | うーん、なるほど。わかるような、わからないような…。 |
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みやび | けんど、段々愛着が湧いてきたろう? |
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アーヤ | そうねえ……まあ、否定はしないけど。 |
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みやび | 素直やないね。 |
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アーヤ | あはは、まあでも―― |
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にゃボットが私を護る為に生まれてきたロボットだって思うと、 |
ちょっとだけ、思い入れが出ないこともないかなぁ。 |
みやび | うむうむ! それこそが愛やよ。 |
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アーヤ | そうね。今までちょっと、見た目で毛嫌いしすぎたかも。 |
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にゃボットには申し訳ないことをしちゃったかしらね。 |
みやび | 大丈夫や。 |
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今からでも愛情を持って接すれば、にゃボットも解ってくれるきね。 |
アーヤ | そうよね。ちょっとフラットな目線で見てみることにするわ。 |
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みやび | それがえいよ。 |
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(よっしゃー! みやびさん、ナイスアシスト!) |
(これでエリカさんの株もだだ上がりぞね!) |
(きっとうちを助手にしたいゆう話しも出るはずやき。) |
(それにしても、アーヤは羨ましいね。素敵な姉がいて。) |
(うちも……) |
(うちもなごちゃんに、オリジナルにゃボットを作っちゃろう!) |
(うむ、それがえい、そうしょ。) |